【WEB企画】これからは私が

これからは私が


「───……長生きのし過ぎはどうも独り身にはよくないらしい。琴を聴かせる友もいなくなってしまった。それでこうしてひとり、浜辺の砂、海の風、そして『そこに生えている』まだ若い松にでも聴かせてやろうと思っていたのだがね……」



 突如として浜辺に現れた娘。かつて天女が羽衣をかけたと伝わる松の枝に宿ったその娘は、私の言葉にたいそう喜んで、こう言ったのである。

『ええ、そうよ。これからは私が、あなたの友だちになってあげる』

<『誰も知らない百人一首 34番異説』より抜粋(民明書房刊)>


誰をかも知る人にせむ高砂の 松も昔の友ならなくに(百人一首34番  藤原興風)

 ■百人一首アンソロジー「さくやこのはな」参加作品

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